古 利 根 公 園 橋 |
春日部市制30周年にあたる昭和59年に完成した古利根公園橋は春日部駅東口を下車して、正面の公園橋通りを真っ直ぐ北東方面に歩いて約5分の位置にあります。
ここにある彫刻はすべて青銅製の単身の人物像で、「彫刻のある街づくり」初期の平成2年から3年にかけて設置され、長い間、市民に親しまれているものです。
その他にも市制30周年記念として設置された彫刻「春陽」、さらに古利根川東岸の岸壁にはトテ馬車のレリーフが刻まれています。 |
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@「フォーム」
千野 茂(ちの しげる)
素材 青銅
寸法 84.5×80×50cm
設置 平成3年 |
作者略歴
1913−新潟県に生まれる
1932−島田美晴に師事
1935−新海竹蔵に師事
1942−第29回院展初入選
1949−第34回院展出品日本美術院賞受賞
1950−第35回院展出品日本美術院賞(大観賞)受賞
新潟日報文化賞受賞
1952−第37回院展出品日本美術院賞(白寿賞)
1954−第39回院展出品日本美術院賞(大観賞〉
1961−日本業術院彫塑部解散
彫刻家集団〈S・A・S)結成
1963−S・A・Sを解体し、国画会に合流、国画会会員となる
1966−日本現代美術展(東京都美術館)
1971−牛島憲之・千野茂二人展
1976−東京芸術大学教授となる
1977−第3回彫刻の森美術館大賞展(彫刻の森美術館)
1980−東京芸術大学教授定年退官
第1回高村光太郎大賞賓展優秀賞受賞
(彫刻の森美術館)、個展(東京)
1981−長野市野外彫刻賞受賞
1982−個展(東京、札幌)
第13回中原悌二郎賞受賞
1983−個展(横浜)
1984−「現代彫刻の展開−1930〜80」(ギャラリーせいほう)
1985−勲四等旭日小綾章受章
1986−東京芸術大学名誉教授となる
1989−千野茂彫刻展(新潟市美術館)
1990−『干野茂作品集』刊行
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作者コメント
腰かけた女性が、足先に手を伸ばすかたちから生まれる有機的フォルムの中に、生命の鼓動を表現した。 |
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A「茉莉花(まつりか)」
舟越 保武(ふなこし やすたけ)
素材 青銅
寸法 205×70×70cm
設置 平成2年
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作者略歴
1912−岩手県に生まれる
1939−東京美術学校彫刻科卒業 新制作派協会
彫刻部創立に参加、会員となる
1941−松本竣介と2人展(盛岡)
1950−第1回秀作美術展
1953−近代彫塑展(国立近代美術館)
1954−第1回現代日本美術展
1961−長崎26殉教者記念像完成
1962−第5回高村光太郎賞受賞
1967−東京芸術大学教授となる
1972−第3回中原悌二郎賞受賞
舟越保武展(梅田・阪神百貨店)
1973−口ーマ法王より大聖グレゴリオ騎士団勲章受章
1977−第1回長谷川仁記念賞受賞
1978−昭和52年度芸術選奨文部大臣賞受賞
1980−東京芸術大学定年退官
1982−舟越保武展(日本橋高島屋〉
「巨岩と花びら」(筑摩書房〉刊行
1983−日本エッセイストクラブ賞受賞
1984−勲四等旭日小綬章受章
1985−舟越保武展一石彫とデッサン(日本橋高島屋)
「石の青石の影」(筑摩書房)刊行
1986−東京芸術大学名誉教授となる
1988−舟越保武展(札幌芸術の森、いわき市立美術館、姫路市立美術館) |
作者コメント
身体のねじれ方によって表れる旋律の美というものが、これをつくった頃、10年間の制作課題であった。ちょうど釧路市の幣舞橋に「道東の四季−春」を作ったすぐ後であった。身体の「向き」の変化についての課題が私の中に残っていたのである。身体の「ひねり」とか「向き」というのは、身体の各部分の方向の向きがこのねじれによって少しずつ角度が変わっていく。正面の向きが変化するのである。
この像では、両足の向いている正面が少しずつ右へ向きを変えている。胸の向きではかなり右へ廻っている。俗にいえば「ねじれん棒」のねじれである。このように微妙なリズムが彫像の中に潜むこととなり、投射される光線の明暗も微妙な効果をもつはずである。
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B 「思い出」
山本 正道(やまもと まさみち)
素材 青銅
寸法 95×40×50cm
設置 平成3年 |
作者略歴
1941−京都に生まれる
1965−東京芸術大学彫刻科卒業
1967−東京芸術大学大学院修了
第31回新制作協会展新作家賞受賞
第2回現代日本彫刻展
1968−第32回新制作協会展協会賞受賞
イタリア政府給費留学生として渡伊
1973−新制作協会会員となる
1975−第2回彫刻の森美術館大賞展(彫刻の森美術館)
1976−第5回平櫛田中賞受賞
1977−第3回彫刻の森美術館大賞展K氏賞受賞
第7回現代日本彫刻展東京国立近代美術館賞受賞
1978−第9国中原悌二郎賞優秀賞受賞
フルプライト芸術部門交換研究員として渡米
1979−第8回現代日本彫刻展
1980−第7回須磨離宮公園現代彫刻展
1981−日本近代彫刻の展開展(神奈川県近代美術館)
現代日本の美術展(宮城県美術館)
1983−第10回現代日本彫刻展京都国立近代美術館賞及び神奈川県立近代美術館賞受賞現代日本美術の展望「立体」(富山県立近代美術館)
1984−近・現代日本の彫刻 (山口県立美術館)
現代のユーモア展(埼玉県立近代美術館)
1985−第1回現代日本具象彫刻展(千葉県立美術館)
1987−東京芸術大学創立百周年記念展教員展
1988−描かれた道展 〈宮城県美術館)
1989−『山本正道作品集』(新潮社)刊行
個展(ギャラリー・ユニバース)
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作者コメント
誰もが持っている遠い記憶の中の風景を、物静かなフォルムの中に刻みつけました。
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C「ジーンズ・夏」
佐藤 忠良(さとう ちゅうりょう)
素材 青銅
寸法 178×70×60cm
設置 平成2年
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作者略歴
1912−宮城県に生まれる
1939−東京美術学校彫刻科卒業 新制作派協会
彫刻部創立に参加、会員となる。
1954−第1回現代日本美術展佳作賞受賞
1960−第3回高村光太郎賞受賞
1965−第1回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館)
1966−東京造形大学教授となる
1968−神戸須磨離宮公園第1回彫刻展
1971−第2回現代国際彫刻展(彫刻の森美術館)
彫刻・佐藤忠良自選展(梅田画廊三番街店以後仙台、札幌、岡山を巡回)
1973−個展(銀座松屋)
1974−第15回毎日芸術賞受賞
昭和48年度芸術選奨文部大臣賞受賞
1975−第3回長野市野外彫刻賞受賞
第6回中原悌二郎賞受賞
1977−第5回長野市野外彫刻賞受賞
1981−ロダン美術館(パリ)にて個展
フランス、アカデミー・デ・ボザール客員会員となる
佐藤忠良展(国立国際美術館)
1983−ウィルデンスタイン画廊(ニューヨーク)にて個展(翌年ロンドンにて個展)
1984−ローマ・アカデミア・サン・ルカ会員となる
1986−東京造形大学名誉教授となる
1988−佐藤忠良展(有楽町アートフォーラム)
佐藤忠良のすべて(岩手県民会館、以後巡回)
1989−昭和63年度朝日賞受賞
佐藤忠良記念館が仙台市に開館
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作者コメント
若い娘達がジーンズ姿で歩くのを見るたびに硬い木綿と肉体とが織りなす皺の起伏が呼吸しているようにみえ、彫刻にしてみようと土を手にしたのが1970年の「ジーパン」という1メートルちょっとの作品であった。この小さな彫刻が展覧会で多少の評価があったようで、当時似たような作品が他の展覧会にもチラホラしたことがある。
以来、私はジーンズの女性を20体ほど彫刻にしてきている。
この他に私には帽子を被った作品もいくつかあるけれど、作品にこうした小道具めいたものをあしらうと、ときに風俗彫刻に陥ることがあるので、その辺のストレスの闘いが、そのたびごとに私の大きな課題になった。
この「ジーンズ・夏」は、そうした課題の中で制作したひとつで、1984年の制作である。 |
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D「夏」
桑原 巨守(くわばら ひろもり)
素材 青銅
寸法 192×55×50cm
設置 平成3年
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作者略歴
1927−群馬県に生まれる
1949−東京美術学校彫刻科卒業
1963−二紀展初入選 同人となる
1964−現代日本美術展出品
1966−二紀展賞受賞
1970−松樹路人と桑原巨守展(日動画廊)
1972−個展(東京)
1974−個展(東京・大阪)
1975−第29回二紀展で菊花賞受賞
1976−「風と花」が完成(彫刻の森美術舘)
1979−「風」「花と少女」など5点 ブルガリア政府買上
1980−「風と花」が完成(広島市中央公園)
1981−「讃太陽」が完成(北海道中標津町公民館)
絵本『彫刻の四季』『彫刻の出来上がるまで』刊行(ポプラ社)
1982−第2回高村光太郎大賞展美ヶ原高原美術館賞受賞、個展〈(東京)「風と花」「凱風新頒」「風の戯れ」が完成(日比谷シティ)〉
1983−二紀展文部大臣賞受賞
「姉妹」姫路市立美術館に設置
1984−「現代彫刻の展開−1930−80」
(ギャラリーせいほう)
現代美術選抜展招待出品(文化庁主催)
「讃太陽」を東京証券取引所に設置
1985−美ヶ原高原美術館「裸婦」設置
1988−AUSTRALIA Gippsland Institute of
AdvancedEducation,School of Visual
Artsに客員教授として招増される
1989−二紀展宮本三郎賞受賞 |
作者コメント
輝く太陽、爽やかな涼風、咲き乱れる野の花高原にすくっと立つ少女。
私の抱く夏のイメージを彫刻にしてみました。
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※作者略歴は、各彫刻が設置された時点のものです。 |
その他の彫刻 |
「春陽(しゅんよう)」
斎藤 馨(さいとう かおる)
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「滝と噴水(トテ馬車)」
雨宮 一正(あめみや いっせい) |
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